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北欧の言葉「GlemTid」

「GlemTid(グレムティッド)」とは、北欧の言葉で『時間を忘れる』という意味です。

<古くから時代を超えて引き継がれている手仕事>
<時間という存在を忘れてしまうほど、手にとったり、身に着けた時に心地よい品物>


『時間を忘れる』という言葉と、お店のイメージとリンクするものがありました。
作品制作についても自分自身の生活についても、北欧の人々のようにゆったりマイペースに進めていきたいという想いから、この言葉を名付けました。

 

Story ~ストーリー~

丁寧にものを作って大事に使うこと、自分が暮らしている環境に負荷をかけない生き方


手仕事に興味を持ったきっかけは、編み物用の糸を紡いで自分で作ってみようと考えたのが始まりでした。

まだ学生の頃、今ほどネットショッピングも主流ではなかった時代、趣味として編み物をしている中で必要な分量の毛糸を用意するのが難しい、と感じる事が多々ありました。
毛糸が足りなくなった際に手芸屋さんへ足を運ぶと、同じ毛糸が売り切れていたり、以前購入した商品が違うお店では販売されていなかったり、また必要以上に毛糸を買いすぎてしまったりと、不便に感じることが多くありました。

それだったら、自分で糸が作れるようになれば必要な分だけ用意することができるので、ストレスを感じなくなるんじゃないか? という考えが頭の中をかすめるようになりました。
そう思ってはみても『自ら紡いで作る』という発想には至らず、毛糸を手芸屋さんで買って用意するという変わらない状況の中で、編み物を趣味として続けていました。

そして、社会人になり働き始めてから何年か経ったある日、スウェーデン産の毛糸に出会います。

Z-1101 Red on white wool

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その糸は、羊の毛そのものの質感を感じ取れたり、少し脂分を含んでしっとりとした感じなど、”自然”を感じさせる風合いがあり、いかにも”機械で生産しました”という毛糸にばかり触れていた自身にとっては、けっこうな衝撃を受けました。

そして手仕事とはだいぶかけ離れた話になってしまいますが…
その頃、編み物と同時にスマホアプリのゲームで自分の村を作るというような、よくある育成ゲームにはまっていました。
庭で野菜を育てたり、育てた小麦からパンをつくったり…

そんな中で、自分で羊を育てて、羊から刈り取った羊毛を紡いで、服をつくるという工程がありました。
その作業をゲームの中で行なっていた時、あの羊の毛の感触そのものを感じるスウェーデン産の毛糸と同じものを、自分で紡いで作れば、できるんじゃないか?
そういえば昔、毛糸を必要な分、購入するのが難しいと思っていたけれど、紡いで作れるようになればそれも解消されるんじゃないだろうか?

何か”ピン”と繋がるものがありました。

そして、ハンドスピンドルという価格も手頃な紡ぐための道具を買って、糸をつくってみたり。

ハンドスピンドルでは編み物をするのに十分な量をつくるには時間が掛かるため、値段が張るので悩みましたが大量に紡げる本格的な糸車を購入して練習をしてみたり。

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自分で糸をつくるなんて”できる訳ない”と思っており、むしろ、スマホアプリの中のゲームの世界でしかできない話と思っていました。
でも昔は食べ物を育てて、生活に必要なものを作って、そういったことが当たり前だったことを思うと”できない訳がない”という事に思い当たったのです。

手作業で糸を紡いだり、編み物やレース、刺繍、織などの技法を使って、時間をかけて丁寧に作ったものを大切に使う。
紡ぎとの出会いは、そんな手仕事の楽しさに気づくと同時に、昔は当たり前に出来ていたことが、今では出来ないもの、として決めつけていた自分の感覚にも気付くきっかけとなりました。

手間が掛かるからと機械で大量生産を行なって、その結果、食べ物や洋服、その他いろいろな商品が売れ残ったり使い捨てされ、ゴミとなり、環境破壊につながり…
一度気づくと、手間はかかるけれど、丁寧にものを作って大事に使うこと、自分が暮らしている環境に負荷をかけない生き方、そうした発想に自然と行きつくようになりました。

お店を通して、そんな事を考えている人もいることを伝えていけたら、と思います。

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